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『源氏物語』って長くて難しそうだけど、どんなお話?
ここでは、わかりやすく各帖にわけてあらすじをご案内しています。
『源氏物語』は54帖から成り「幻」はその41帖目のお話です。
「幻」の登場人物
源氏、中将の君、女三宮、花散里、明石の御方
「幻」のあらすじ
紫の上の一周忌
紫の上が亡くなり、失意のまま月日だけが過ぎていきます。
二条院の紫の上、遺愛の梅と桜を受け継いだ三ノ宮(匂宮)は、幼いながらも風で散る花びらを惜しんでいます。
出家後は、そんな無邪気な孫の姿を見ることも無くなるのです。
葵祭りや七夕、華やかな年中行事にもなんの感慨も沸かず、何を見ても故人との思い出が浮かぶばかりです。
やがて紫の上の一周忌を迎え、その後も、重陽の節会、豊明の節会など季節は巡る中、人に会うのも稀になってしまいました。
幻でもいいから尋ねていきたいと、玄宗皇帝の「長恨歌」や父桐壺帝が母更衣を亡くした折の心境を、今の自分と重ねます。
女三宮や明石の御方に会っても、かえって孤独を感じ、紫の上の代わりに衣替えする花散里や、中将の君(昔から源氏と関係のある女房)が、わずかに源氏の悲しみに寄り添います。
紫の上の文を焼く
一周忌を終え、年が明けたらいよいよ出家を決意する源氏は、懐かしい故人の文を焼いてしまいます。
年の瀬も迫り、歳末の行事である御仏名に、源氏は久々に人々の前に姿を見せます。
その姿はこれまで以上に美しく神々しく、周囲を圧巻するものでした。
やがて年が改まり、これが最後と年始の行事を盛大に行いながら、我が世も尽きたと万感の思いで幕は閉じられるのでした。
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