3帖「空蝉」蝉の抜け殻

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源氏物語』って長くて難しそうだけど、どんなお話?

ここでは、わかりやすく各帖にわけてあらすじをご案内しています。

『源氏物語』は54帖から成り「空蝉」はその3帖目のお話です。

「空蝉」の登場人物

源氏、空蝉、小君、軒端荻

「空蝉」のあらすじ

三度目の紀伊守邸

二度目の方違えで忍んでみたものの、上手く空蝉にかわされて後、源氏は身の程知らずな忌々しい者よと思うものの、その面影が忘れられず小君(空蝉の弟)に、三度目の紀伊守邸への訪問を手引きさせます。

丁度、紀伊守が任国へ下っている折に、小君はお忍びで源氏の君を招き入れました。

そこで、空蝉と軒端荻(夫伊予介と前妻の娘)が碁を打っているところを垣間見します。

顔や手を袖で隠して慎ましやかな空蝉に対して、軒端荻の方は豊満で美しい顔立ちを隠そうともせず、品がありません。

碁が終わったのを待って、小君が源氏を寝所の方へ案内します。

衣擦れの音と、えも言われぬ香りにすばやく感づいた空蝉は、側にいる軒葉荻だけを残して、単衣姿のままその場を脱出します。

近づいてすぐ空蝉でないと気付いた源氏は、軒端荻に不審がられぬよう上手く言いくるめて、一夜を共にします。

なんの疑いも抱いていない軒端荻には、それ以上興味もわかず、脱ぎ滑らせた空蝉の小袿だけを手にして、その場を後にするのでした。

あまりの強情さに呆れながらも、

空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな

(蝉が脱け殻を残して去って行った木の下で、それでもなおそれをよすがに懐かしい思いがします)

空蝉の脱ぎ捨てた小袿を眺めながら、小君を代わりに添い寝させるのでした。

以上より「空蝉」と呼ばれます。

(参考文献)阿部秋生,秋山虔,今井源衛,鈴木日出夫.『源氏物語』①~④.小学館.2006.新編日本古典文学全集20~23
KoGeTu

大阪市生まれ。大学卒業後、旅行会社の添乗員として訪れた旅先で、古典の舞台に思いを馳せる内に、あらためてその世界に魅了されました。ブログ運営と共に、執筆活動も行っています。著作は、平安時代の検非違使の活躍を描いた小説『衛士の火は燃ゆ』(朱雀門編)があります。

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あらすじ源氏物語