藤壺に拒まれ籠ったお寺 雲林院跡

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物語の舞台

『源氏物語』では

源氏物語

10帖「賢木さかき」では、

源氏の亡き母・桐壺の更衣きりつぼのこういの兄の律師りっしが、雲林院うんりんいんの僧坊に住んでいる設定です。

右大臣家の権勢下、義理の母である藤壺ふじつぼ逢瀬おうせこばまれた源氏は、

厭世的えんせいてきな気持ちで雲林院にこもりますが、まだ幼い紫の上への想いなど、

俗世ぞくせほだしを思うと、なかなか出家しゅっけには踏み切れないのでした。

雲林院とは

元は淳和天皇じゅんなてんのうの離宮で、後に仁明天皇にんみょうてんのうの皇子常康親王つねやすしんのうが住まいとし、

親王が出家後、僧正遍照そうじょうへんじょうが元慶寺別院にしたそうです。

僧正遍照の子素性法師そせいほうしは出家して、ここに住んでいました。

天台宗てんだいしゅうの道場で「金光明経こんこうみょうこう転読てんどく安居講やすいこうで知られました。

南北朝の頃に荒廃こうはいし、今は、マンションの壁面へきめんに発掘後の案内板が掲示されています。

詳細事項

雲林院跡うんりんいんあと

所在地
〒603-8214京都市北区紫野雲林院町50雲林院跡
アクセス
(バス)市バス:1、12、204、205、206、北8、M1系統「大徳寺前」下車、徒歩約10分
駐車場
なし。近くのコインパーキングをご利用ください。

位置情報

KoGeTu

大阪市生まれ。大学卒業後、旅行会社の添乗員として訪れた旅先で、古典の舞台に思いを馳せる内に、あらためてその世界に魅了されました。ブログ運営と共に、執筆活動も行っています。著作は、平安時代の検非違使の活躍を描いた小説『衛士の火は燃ゆ』(朱雀門編)があります。

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