20帖「朝顔」朝顔の君

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源氏物語』って、長くて難しそうだけど、どんなお話?

ここでは、わかりやすく各帖にわけてあらすじをご案内しています。

『源氏物語』は54帖から成り「朝顔」はその20帖目のお話です。

「朝顔」の登場人物

源氏、女五の宮、朝顔の君、紫の上

「朝顔」のあらすじ

朝顔の君への再接近

父式部郷宮が亡くなり、朝顔の君は斎院を降りて桃園の邸にいます。

ここには、叔母の女五の宮(故桐壺院または故式部郷宮の妹)も共に暮らしていて、驚いたことには、あの源典侍も身を寄せており、尼姿で今だに色めかして来るのでした…。

源氏は、高齢の女五の宮への挨拶もそこそこに、喪中の朝顔の君を訪れます。

若かりし頃、朝顔に添えて恋文を贈った女君で、以降「朝顔」の君と呼ばれています。

源氏とは文のやり取りだけでこれまで来ているのでした。

故六条御息所の無念を思えば、とてもこれ以上、望む気にならない朝顔の君ですが、叔母の女五の宮をはじめ邸の女房たちも、権勢家の源氏との縁談に乗り気です。

紫の上の不安

朝顔の君への接近を耳にする紫の上は、穏やかではありません。

いつものように状況を話してくれる訳でもなく不信が募ります。

同じ皇族の血筋とはいえ、紫の上は兵部卿宮の外腹で孤児同然だったのに対して、朝顔の君は世間的にも格が上です。

正妻の座が脅かされ、今後どんな扱いになるかと気が気ではありません。

そんな紫の上の不安をよそに、ある夜源氏は、朝顔の君や入道の宮、朧月夜の君、花散里、明石の御方など、これまで出逢った女人の話を紫の上に聞かせます。

すると、少しでも自分との生前の仲に触れたのを恨んだ故入道の宮(藤壺)が、その夜、源氏の夢に現れたのです。

源氏は、あの密会の為に、成仏しきれない宮を想い、追善供養を秘かに行うのでした。

(参考文献)阿部秋生,秋山虔,今井源衛,鈴木日出夫.『源氏物語』①~④.小学館.2006.新編日本古典文学全集20~23
KoGeTu

大阪市生まれ。大学卒業後、旅行会社の添乗員として訪れた旅先で、古典の舞台に思いを馳せる内に、あらためてその世界に魅了されました。ブログ運営と共に、執筆活動も行っています。著作は、平安時代の検非違使の活躍を描いた小説『衛士の火は燃ゆ』(朱雀門編)があります。

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あらすじ源氏物語