17帖「絵合」前斎宮の入内

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源氏物語』って、長くて難しそうだけど、どんなお話?

ここでは、わかりやすく各帖にわけてあらすじをご案内しています。

『源氏物語』は54帖から成り「絵合」はその17帖目のお話です。

「絵合」の登場人物

源氏、前斎宮、冷泉帝、権中納言、入道の宮

「絵合」のあらすじ

前斎宮の入内

以前から、想いを寄せる朱雀院に配慮しつつ、入道の宮(藤壺)の口添えで、

源氏は、養女として前斎宮(故六条御息所の娘)を冷泉帝に入内させます。

入内の際には、朱雀院から沢山の贈り物が寄せられ別れの櫛の儀式を懐かしむ歌も添えられていました。

源氏は最後まで、朱雀院の意思を無視するようで気が引けたのですが、

病がちの入道の宮は、年長で落ち着いた前斎宮を帝の世話役として歓迎しました。

絵合

権中納言(義兄)の娘弘徽殿女御は、先に冷泉帝に入内し、年も近く仲良しでしたが、

このところ冷泉帝は、絵心が通じた斎宮女御(前斎宮)の元に入り浸りです。

対抗する権中納言は、名だたる絵師達から名画を集めて、帝が弘徽殿女御を訪れた時にだけご覧にいれます。

見かねた入道の宮が、女御同士の内々の絵合わせを催しますが、勝負がつかず、あらためて、

冷泉帝の御前で、左方が斎宮女御、右方が弘徽殿女御に分かれて催されることとなりました。

まるで、内大臣源氏と権中納言の後宮の覇権争いの様相です。

物語絵だけでなく、今回は月次絵や年中行事絵巻も加わり、新旧秘蔵の名画が持ち寄られました。

諸芸に通じる帥の宮(源氏の異母弟)にも判定がつかず、

最後に源氏が描いた須磨、明石の浦の風景が人々の涙を誘い、左方斎宮女御が勝ちを納めました。

諸芸に才能ある源氏ですが、中でも琴と絵が際立っていたのです。

碁と絵だけは、天分の才によると帥の宮は語ります。

こうして、栄華を極めると同時に道心を強めつつあった源氏は、山里に御堂を建立し始めるのでした。

(参考文献)阿部秋生,秋山虔,今井源衛,鈴木日出夫.『源氏物語』①~④.小学館.2006.新編日本古典文学全集20~23
KoGeTu

大阪市生まれ。大学卒業後、旅行会社の添乗員として訪れた旅先で、古典の舞台に思いを馳せる内に、あらためてその世界に魅了されました。ブログ運営と共に、執筆活動も行っています。著作は、平安時代の検非違使の活躍を描いた小説『衛士の火は燃ゆ』(朱雀門編)があります。

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あらすじ源氏物語