『源氏物語』って長くて難しそうだけど、どんなお話?
ここでは、わかりやすく各帖にわけてあらすじをご案内しています。
『源氏物語』は54帖から成り「桐壺」はその1帖目のお話です。
「桐壺」の登場人物
桐壺帝、桐壺更衣、弘徽殿女御、源氏、左大臣、葵の上、藤壺女御
「桐壺」のあらすじ
光る君の誕生
桐壺帝の後宮には沢山のお后がいますが、中でも桐壺更衣は帝の寵愛を一身に受けていました。
他の女御や更衣方は穏やかではなく、特に権門右大臣家の弘徽殿女御は、嫉妬のあまり目覚ましきものと憎み、数々の嫌がらせで桐壺更衣を迫害します。
更衣の父大納言はすでに他界しており、後ろ盾のない後宮での暮らしは心細く、更衣は帝寵だけを頼みにしていました。
はかなげな更衣に帝の愛情はますます深まり、光るように美しい男皇子が誕生します。
しかし、皇子が三歳の袴着の儀を迎えた後、母桐壺更衣は心労のあまり他界してしまうのでした。
悲しみに暮れる桐壺帝は、服喪を終えた皇子を引き取り、片時も離さず可愛がります。
皇位を継がせたく桐壺帝は、高麗の人相見に皇子を占わせます。
帝位につくわけでもないが、そのまま臣下で終わるでもない…。
類い稀なる皇子の相を、人相見は「光君」と崇めました。
桐壺帝は惜しみながらも、光君を臣籍に降して「源氏」の姓を授けました。
ようやく我が子が、東宮(皇太子)に就いたので、弘徽殿女御は胸を撫で下ろします。
藤壺の入内
その頃、桐壺帝は亡き桐壺更衣に生き写しと評判の先帝の第四皇女を入内させます。
藤壺の宮です。
母の面影を知らぬ源氏は、
藤壺の宮を慕い、いつしか恋い焦がれるようになります。
源氏の元服
やがて元服(男子の成人の儀)した源氏に、左大臣の娘葵の上が正妻として迎えられました。
強力な後ろ楯とするためです。
我が子東宮の后になるはずが、ここでも弘徽殿女御は面白くありませんでした。
しかし、藤壺に惹かれる源氏は、端正で気位の高い葵の上に馴染めずにいました。