18帖「松風」大堰の邸にて

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源氏物語』って、長くて難しそうだけど、どんなお話?

ここでは、わかりやすく各帖にわけてあらすじをご案内しています。

『源氏物語』は54帖から成り「松風」はその18帖目のお話です。

「松風」の登場人物

源氏、明石の入道、尼君、明石の御方、明石の姫君、紫の上

「松風」のあらすじ

大堰の邸へ

完成した二条院の東院、西の対には花散里が入り、東の対には明石の御方をと源氏は考えていました。

源氏の度々の招きに、明石の御方は幼い姫のために一刻も早く上京を思うものの、

高貴な妻妾方にいきなり交わるのも、身分柄気が引けます。

そこで、同じ思いの父明石の入道は、都に程近い大堰の邸宅を手入れさせ、まずはそこに移住することになりました。

ここは母尼君の祖父、中務卿宮からの伝領で、長年の預かりが所有権を主張してきましたが、

源氏の威光をちらつかせると態度を豹変させたのでした。

明石の御方と母尼君、幼い姫は今生の別れとなる入道を残し、明石の浦を後にしました。

大堰川のほとりのその邸は、松風が琴の音と響き合い、どこか明石の浦の風情を思い起こさせます。

源氏は紫の上への口実に、造営中の嵯峨の御寺や桂の別荘への所用にかこつけて大堰の邸を訪れます。

初めて抱く娘明石の姫君は、幼いながらも将来が期待される美質を備えています。

権力者の源氏に追従する貴顕がいつの間にか集まり、桂の別荘で鵜飼を眺めながら宴が催されます。

冷泉帝から使者も遣わされ、予定を過ぎての二条院への帰還となりました。

紫の上にはご機嫌うかがいしつつ、明石の姫君の養育を依頼するのでした。

(参考文献)阿部秋生,秋山虔,今井源衛,鈴木日出夫.『源氏物語』①~④.小学館.2006.新編日本古典文学全集20~23
KoGeTu

大阪市生まれ。大学卒業後、旅行会社の添乗員として訪れた旅先で、古典の舞台に思いを馳せる内に、あらためてその世界に魅了されました。ブログ運営と共に、執筆活動も行っています。著作は、平安時代の検非違使の活躍を描いた小説『衛士の火は燃ゆ』(朱雀門編)があります。

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あらすじ源氏物語