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『源氏物語』って長くて難しそうだけど、どんなお話?
ここでは、わかりやすく各帖にわけてあらすじをご案内しています。
『源氏物語』は54帖から成り「花宴」はその8帖目のお話です。
「花宴」の登場人物
源氏、頭中将、桐壺帝、藤壺中宮、朧月夜の君
「花宴」のあらすじ
南殿の桜の宴
南殿の桜(紫宸殿南庭の左近の桜)の宴が催され、東宮と藤壺中宮も、桐壺帝の左右の御座所でご覧になります。
弘徽殿女御も中宮を面白からず思うものの、この盛大な宴にはじっとしていられませんでした。
親王、上達部や文人達が憶しがちな中、源氏は詩作を堂々と披露し、博士は読み上げるのに感極まって声をつまらせます。
紅葉賀の舞を思い出された東宮が、源氏に春鶯囀を所望されると、例えようもなく見事に袖をひるがえすのでした。
帝に促されて、頭中将も負けじと柳花苑を見事に舞います。
中宮は、なんの憂いもなくこの姿が眺められたならと、心ひそかに思うのでした。
朧月夜の君との出逢い
花宴の後、辺りが静まる頃、酔い心地に藤壺のあたりを歩いていると、向かいの弘徽殿の細殿の戸口が開いています。
「朧月夜に似るものぞなき」と女人の声がして、源氏が袖をとらえます。
深き夜のあわれを知るも入る月のおぼろけならぬ契りとぞ思ふ
(夜更けの風情を感じながらもに西に入る朧月のように、おぼろげでない私とあなたの契りと思われます)
「何をしても許される身ですから」との声に、その女人は噂の貴公子、源氏の君と気づきます。
一夜を共にした後、お互いの扇を取り交わして、その場は別れました。
惟光と良清に探らせ、弘徽殿女御の妹姫の内の誰かだと検討をつけます。
しばらくして、右大臣邸の藤花の宴に招待された源氏は、ようやく扇の主である朧月夜の君を探し当てます。
弘徽殿女御の妹六の姫君で、近く東宮に入内する予定なのでした。
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