16帖「関屋」空蝉との邂逅

本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

源氏物語』って、長くて難しそうだけど、どんなお話?

ここでは、わかりやすく各帖にわけてあらすじをご案内しています。

『源氏物語』は54帖から成り「関屋」はその16帖目のお話です。

「関屋」の登場人物

源氏、空蝉、衛門佐(小君)、常陸介、河内守

「関屋」のあらすじ

逢坂の関での邂逅

都に復帰した源氏が、石山寺への御願ほどきに向かう道中、粟田山にさしかかる頃、

偶然、逢坂の関をはさんで常陸介の一行が、近江の打出の浜に迫っていました。

任期を終えた常陸介が都に戻るのに、あの空蝉(常陸介の妻)も同行しています。

避けきれず逢坂の関で、源氏の一行が行きすぎるのを待っていると、

関屋を出た源氏が、衛門佐(空蝉の弟)を呼び寄せ、

「今日の私の逢坂の関への出迎えを無視なさるまい。」と空蝉に伝言させます。

まだ、衛門佐が小君と呼ばれていた頃、空蝉との取り持ち役で何かと目をかけていましたが、

須磨退去の際は、常陸介の下向に従い、源氏に距離を置いたのでした。

常陸介の子右近将監は、当時、官位を取られながらも、源氏と共に須磨に従ったので、今日目覚ましく栄達しています。

同じ常陸介の子でも河内守(当時、紀伊守)は、衛門佐同様、少しでも時勢におもねった当時の心境を悔いるのでした。

その後、常陸介は亡くなり、空蝉は義理の息子の河内守の懸想をかわすため、人知れず尼になります。

(参考文献)阿部秋生,秋山虔,今井源衛,鈴木日出夫.『源氏物語』①~④.小学館.2006.新編日本古典文学全集20~23
KoGeTu

大阪市生まれ。大学卒業後、旅行会社の添乗員として訪れた旅先で、古典の舞台に思いを馳せる内に、あらためてその世界に魅了されました。ブログ運営と共に、執筆活動も行っています。著作は、平安時代の検非違使の活躍を描いた小説『衛士の火は燃ゆ』(朱雀門編)があります。

KoGeTuをフォローする
あらすじ源氏物語